今年もやるんですか? やるんです! 毎年恒例ボージョレ・ヌーヴォー字面だけ格付けのお時間ですわよ、奥様。
今年も海を越え、山を越え、日本に続々到着。11月17日の解禁を待つばかりとなっております。さて、その出来栄えはというと。
「甘酸っぱいイチゴのジャムを口いっぱいに含んだような味わいになった」
「甘酸っぱいイチゴジャム」の味わい、ボージョレ・ヌーボー羽田到着…来月17日解禁 : 読売新聞オンライン
おおっと、今年は変化球。おなじみの果実感を強調のパターンと思いきや、果実そのものではなく、ジャムできた。イチゴそのものではなく、「イチゴのジャム」というところが微妙であります。
- 1995年「ここ数年で一番出来が良い」
- 1996年「10年に一度の逸品」
- 1997年「1976年以来の品質」
- 1998年「10年に一度の当たり年」
- 1999年「品質は昨年より良い」
- 2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
- 2001年「ここ10年で最高」
- 2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
- 2003年「100年に一度の出来」「近年にない良い出来」
- 2004年「香りが強く中々の出来栄え」
- 2005年「ここ数年で最高」
- 2006年「昨年同様良い出来栄え」
- 2007年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
- 2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
- 2009年「50年に一度の出来栄え」
- 2010年「新酒の典型のようなみずみずしさ」
- 2011年「50年に一度の当たり年」「05年や09年産に匹敵する仕上がり」
- 2012年「糖度と酸度のバランスが良く、フルーティーな味わい」
- 2013年「例年よりもフレッシュな味わい」
- 2014年「フレッシュで華やかな香り」「果実味豊かな味わい」
- 2015年「今世紀でもっとも良い出来」「豊かで、しっかりとして完璧なバランス」
- 2016年「採れたての果実を口の中で頬張ったかのような、みずみずしい仕上がり」
- 2017年「甘みが凝縮され、まろやかな味わい」
- 2018年「イチゴやブルーベリーを思わせるような香りを持ち、爽やかで滑らかな味わい」
- 2019年「イチゴやラズベリーを思わせる、ピュアでフレッシュな香り」「味わいは滑らかで、エレガント」
- 2020年「ブラックチェリーのような完熟した黒い果実の香りとともに、心地よい余韻が残る芳醇な味わい」
- 2021年「採れたてのいちごやチェリーに、そのままかじりついたような味わい」
- 2022年「甘酸っぱいイチゴのジャムを口いっぱいに含んだような味わい」←New!!
とはいえ、基本線はここ最近おなじみの果実喩えシリーズ続行なんだけどね。
この変化球を受け、ボージョレ・ヌーヴォー字面だけ格付け委員会を開催し、慎重なる審議をひとりで重ねた結果、「字面だけ格付け」を更新したものがこちらです。
2022年版ボージョレ・ヌーヴォー字面だけ格付け
- 1.2015年「今世紀でもっとも良い出来」「豊かで、しっかりとして完璧なバランス」
- 2.2005年「ここ数年で最高」
- 3.2006年「昨年同様良い出来栄え」
- 4.2003年「100年に一度の出来」「近年にない良い出来」
- 5.2011年「50年に一度の当たり年」「05年や09年産に匹敵する仕上がり」
- 6.2009年「50年に一度の出来栄え」
- 7.2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
- 8.2001年「ここ10年で最高」
- 9.1999年「品質は昨年より良い」
- 10.1998年「10年に一度の当たり年」
- 11.1996年「10年に一度の逸品」
- 12.1997年「1976年以来の品質」
- 13.1995年「ここ数年で一番出来が良い」
- 14.2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
- 15.2007年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
- 16.2020年「ブラックチェリーのような完熟した黒い果実の香りとともに、心地よい余韻が残る芳醇な味わい」
- 17.2012年「糖度と酸度のバランスが良く、フルーティーな味わい」
- 18.2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
- 19.2017年「甘みが凝縮され、まろやかな味わい」
- 20.2014年「フレッシュで華やかな香り」「果実味豊かな味わい」
- 21.2019年「イチゴやラズベリーを思わせる、ピュアでフレッシュな香り」「味わいは滑らかで、エレガント」
- 22.2018年「イチゴやブルーベリーを思わせるような香りを持ち、爽やかで滑らかな味わい」
- 23.2022年「甘酸っぱいイチゴのジャムを口いっぱいに含んだような味わい」←New!!
- 24.2021年「採れたてのいちごやチェリーに、そのままかじりついたような味わい」
- 25.2004年「香りが強く中々の出来栄え」
- 26.2013年「例年よりもフレッシュな味わい」
- 27.2010年「新酒の典型のようなみずみずしさ」
- 28.2016年「採れたての果実を口の中で頬張ったかのような、みずみずしい仕上がり」
「ジャム」という変化球の扱いに苦慮しましたが、「甘酸っぱいイチゴのジャムを口いっぱいに含んだような味わい」→ただし「うまい」とは言っていないと判断。味への明確な言及がある2018年の「爽やかで滑らかな味わい」より劣るとしました。
あとはどこに入るかというところですが、2021年の「採れたてのいちごやチェリー」より「甘酸っぱいイチゴのジャム」のほうが濃厚さの示唆があり、上と判断しました。そのため2021年の上、23位にランクインです。おめでとうございます。
今年もわりと普通の評価。インフレ的高評価は2015年の「今世紀でもっとも良い出来」以来出ておりません。次の十年に一度、五十年に一度、今世紀に一度の出来はいつ巡り会えるのでしょうか。また来年もこの記事でお会いしましょう。よいワインでよい人生を(某まなめ○○○のパクり)。