「なんで情報共有ができなくなるのか」という前提が大事なんです。
前提が破綻するから、その先にある人間関係もまた破綻する。
情報共有を阻む最大の敵はこの言葉。
「そんなこと聞くなよ!」
この一言が出るとおしまい。もう情報が流れない。
疑問があるから聞く。聞く人にとってはものすごく重要な情報なわけです。重要でなければ聞かない。とはいえ、相手にとってその情報が重要であるかはわからないので、人に聞くことは怖いんですよ。「こんなこと聞いて悪いかな」「どうでもいいことかな」「同じようなこと何回も聞いてないかな」「迷惑じゃないかな」って。
それに対して厳しい返しをしたら、もうその人は聞く勇気を持ってくれない。情報の重要性に対して判断できなくなる。「そんなこと」が聞かれなくなるかわりに、実は重要であったことも聞かれない。
情報共有をするためには、日頃から情報共有をしやすい環境が必要なんだけど、そのためには情報が寄せられたときに、きつい返しをしてはいけない。特に上司・部下の関係であれば、ただでさえ上下関係があって、下は上に対して遠慮する。何かを聞いたときに怒られれば、上司の機嫌を損ねないよう、なるべくものを聞かなくなる。
ひとつひとつの問いに笑顔で答える。忙しくても厳しい返しをしない。少なくても問うたことを責めない。それが目下や新人であれば尚更。その繰り返しがお互いに質問をしやすい環境を生み、質問の繰り返しが問題点の洗い出しや、要点の抽出につながり、適切な情報共有につながる。
「そんなこと聞くなよ!」
これを言った日から、その相手からはもう情報は来なくなる。