旭化成建材の問題が大きく報道されております。
・http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
・(魚拓)
今回の件があって、元同僚に電話してみたら、杭打ち業界は今騒然としてるらしい。
http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
どこの会社も同じような事をやっていて逃れられないから。
まあそういうものでしょう。どこも他人事ではない。
そのうち各所に波及する。姉歯物件の頃をちょいと思い出していただきたいわけです。耐震偽装。へたすりゃ全件検査みたいな話になる。全件検査ともなれば「おいおい、さすがにこりゃないよ……」みたいなケースも多分出てくる。
まして今回の件は目に見える現象があったから発覚したわけで。もう既に異状が起きていれば当然疑われる。まあそれは自然のこと。目に見えるウワモノの話だから。
問題は目に見えないものに波及する場合。地盤が弱いところに何かを建設する場合、今回のようなコンクリートの杭打ちだけではなく、地盤改良工事が行われたりする。
・薬液注入工法|地盤改良工事・推進工事における薬液注入工法のモリテクニカル
・地盤改良工 3つの事業「薬液注入工法」|地盤改良工事の株式会社人力|日本全国、工事依頼を承ります
地盤に穴をあけて、そこに薬液を注入して地盤を固めると。簡単に言えばそういう工事。
で、こういう工事がどういうところで行われているかというと、例えばトンネル。
地下に何かをつくる場合に、土壌の透水性という問題があり、そのままだとつくった構造物に負荷がかかる。なので早い話が土を固めて水を通さないように地盤を改良する。
コンクリートと薬液という違いはあれど、施工自体は似ているのですよ。
そしてこちらはトンネルの崩落事故によって不正がばれたという。25年前に。
こっちに波及するとトンネルとかダムとか、橋脚であるとかの巨大公共事業がアレになってしまうので、なんとかそれは避けたいところ。不正がなければいいですね。
あとどうでもいい話ですが、この部分は超同意。
むしろ今回データーを見て改ざんがわかるようなずさんな改ざんを行ったことが業界的には不思議。
http://anond.hatelabo.jp/20151101005637
本当だよなー。年々厳しくなっているのに。
こういう機械がありまして、流量と圧力が記録される。心電図みたいな機械と考えればよろし。で、スイッチを入れたタイミングで時間が刻印され、もう一度スイッチを押すと、時間が刻印されるとともに、注入量が印字される。
イ チャート紙への記録に当たり、2倍の速度で記録紙を送ったり、流量計の電源を切り手動で記録紙を送り針を手で動かして記入したりするなどして、現場の注入施工に全く関係なく注入施工計画書に沿った記録を作成していた。このようにして、チャート紙のほとんどを偽造していた。
http://report.jbaudit.go.jp/org/h02/1990-h02-0453-0.htm
そのため、以前のこういった不正はやりづらくなりました。あくまで「やりづらい」ですけど。今でも不正しようとすればできます。例えば、施工現場を模したセットをつくるとか。現場と関係ないところに流量計と大量の水が入ったタンクをを置いて、現場で薬液注入を行ったかのように水を通すとか。
ま、このやりかたも現場の立ち会い・検印その他があるとダメなんですけどね。あと異様に圧力が一定になるので、見る人が見ればわかる。実際の現場であれば石を巻き込んで一時的に圧がかかったりとか(掃除機とかでも服とかをかんで一気にウイーンってなったりするでしょ)、そういう現場ならではの事象まで記録されるのが常なのですが、シミュレーション現場セットなのでそうしたことが起きない。元請けとか行政側の責任とか、マスコミは弱いところを叩いていくと思いますが、これでも改善はしているんですよ。相変わらずな部分が残っていて、それが顕在化したのは事実でありますが。
まあしかし四半世紀前の事故が先祖返りしているようで、あまり大ごとにならなければよいなあと願っております。新国立競技場とかが本格施工前に入る前に出てきた話なのが不幸中の幸いかもね。