どうも、インチキ貴族のタケルンバです。
鳥貴族の株価チャート見て決算情報漏れ過ぎてて笑う。貴族繋がりでタケルンバ氏のコメントが待たれる。
— まなめ (@maname) September 12, 2018
某王子からインチキ貴族に鳥貴族について書けとな? いいでしょう。ちょっと書いてみますか。
結論:至極まっとうな経営判断
株価を下げてるのはこのニュースの見出しがすべてだとは思うんですよ。
新規出店を止める。そうなると将来的な利益も減るわけで、そういった将来的な利益を織り込む株価は下がると。まあそういう理屈。そういう株主視点。
しかしですね、ひとりの飲食関係者として見ると、至極まっとうな経営判断だと思うんですよ。その最大の理由は人手不足。
「鳥貴族」の経営とそのカムレード事業
株式会社鳥貴族の新卒採用・企業情報|リクナビ2019
◎大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・愛知県・岐阜県・静岡県・東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県に
現在635店舗(直営398店舗、TCC 237店舗※2018年5月末時点)展開。
正社員数/700名
株式会社鳥貴族の新卒採用・企業情報|リクナビ2019
※2017年7月末
※TCC店の従業員数は含まれておりません。
直営店が398店舗で、正社員が700名ってことは、基本的に店舗ひとつ当たり正社員がひとりしかいねえってことなんですよ。言い方をちょっと変えると、店舗責任者クラスじゃないと正社員は困るってわけですよ。
こういった状況で店舗を拡大し続けられます? って話でして、ええ。新卒だろうが中途だろうが、正社員で採ったら即店舗責任者。それは現実的ではないですよね。まっとうな感覚であれば、正社員として採ったならば、まずは現場に出して経験を積ませて、慣れてきたら大きめの店舗の二番手をやらせる。二番手ができるなら小型店の店舗責任者やらそかと。そういう流れが基本。
でもね、今の飲食業界ってそういうまともなことができてないの。当たった業態であれば、ひたすら店舗を増やし続ける。しかし店舗拡大スピードに人材育成スピードは追いつかない。どうするか。できる店舗責任者が複数店舗持ち。あるいはできるパート・アルバイトに店舗責任者代行をさせる。それもだめならエイヤっと若手に投げる。
そうなるとやっぱり現場って荒れるんですよ。店舗を増やした分だけ人材が希薄化し、店舗レベルが下がるんです。で、店舗レベルが下がれば売上だって評判だってなんでも下がるものなのよ。
なので株価とか株主利益を犠牲にしてでも、今、立ち止まって足元を鍛え直すという判断したのは実にまっとうだし、素晴らしい判断だと思うんです。こういう判断はサラリーマン経営者にはできないんです。利益を上げ続ける、前に進み続けることがお仕事なので。これは大倉家の生業だからできると見ています。長く商売していくには立ち止まる必要がある。それができるのは力のあるオーナーがいるからだろうなあと。
それに今、立ち止まって将来の二番手、三番手を鍛えていけば、オリンピック後に人材が余ったときに、そういう人材を吸収してひと勝負できるという考え方もある。人材が余ってもさ、それを束ねる人がいなければ使いこなせない。使いこなせる人を育てるためにも、今、立ち止まるって判断はプラスになるような気がしますよ。
それこそ店舗責任者をやらせてはいけない人にやらせて、事故が起きるよりはマシ。赤字続きの会社が新規出店を止めた場合は、会社のキャッシュフローが途絶える時なので赤信号なわけですが、黒字の会社が新規出店を止めた時は熟成期間というのが私の考え。鳥貴族の判断は非常にまっとうであるとインチキ貴族は断言します。短期的な視点に陥ることなく、長く商売をやろうという姿勢が見えるので素敵だと思いますよ。