11月5日からマイナンバーカードに旧姓を併記することができるようになりました。
これ、結構いい変更なんです。というのも、名字変えた人間には、この旧姓の名前の人間は現在のこの名前の人物と同一なんですよ、という証明を求められる場面が結構ありまして、ええ。例えば銀行で口座名義変える場合とか。旧姓が載っている戸籍謄本の提示が求められたり。
ちょっと前まではその点で運転免許証が万能だったんだけど、プライバシーの配慮とかで、今は載ってないんです。
改正道路交通法施行規則が平成22年7月17日に施行され、運転免許証表面の本籍欄の削除と、同裏面に臓器提供の意思の有無を記載(記入は自由です。)できることとなりました。
ICカード免許証 警視庁
oh...
となると、旧姓を旧姓であると証明する術が意外に少ない。特に写真付きの証明書となると難しい。
そこにこのマイナンバーカードに併記するという話は、悪くない話なんですよ。無論、選択的夫婦別姓にして、そもそも名字を変える必要がないようにするのがベストなんだけど、夫婦のどちらか一方が名字を変える必要がある現状において、旧姓を旧姓であると証明する手段を担保するのは、それなりにベターではあるわけです。一応はね。
で、本日この制度がはじまったし、ちょうどマイナンバーカードを発行していなかったし、その番号通知書をどっかに紛失しちまったしと、いろいろなことが重なったので区役所にお邪魔してきたわけです。なくすなよ。
マイナンバーカードの担当部署で手続き
区役所に行き、受付のところでマイナンバーカードの担当部署を確認。まずはそちらでそもそもの番号通知書を紛失したことと、マイナンバーカードの発行を依頼する。
ここまでの手続きはスムーズ。番号通知書をなくしたというだけで、番号自体は発番されているから特に問題ない。申請書類を用意してもらい、それに写真を添付した上で郵送してくださいねと。あるいはQRコードから電子申請できますよと。ま、よくある作業。問題はここから。
「旧姓を併記したいんですけど」
急に担当者があせあせしだす。そりゃそうだ、今日からはじまった制度。いきなりそれをお願いされるとは思ってもいなかろう。あたふたしながら裏の方に行き、上席に確認をとるなどしている。
この日は奥さんと一緒に区役所に行き、夫婦揃ってマイナンバーカードの発行をお願いしてきたわけだが、担当者の方が奥さんを向いて話をしているというのもよくあるパターン。
「いや、旧姓を併記して欲しいのはわたしなんです」
あせあせあせあせ。慣れている。慣れているとも、気にするな。初日から試練を与えてすまぬすまぬすまぬ。
住民票に旧姓を載せる
マイナンバーカードに旧姓を載せるために、まずは住民票に旧姓を記載するように変更する。用意された書式の備考欄に言われたように書く。旧氏記載のためなんちゃらかんちゃらみたいな。法律用語としては「旧姓」ではなく、「旧氏(きゅううじ)」らしい。
幸いにして私は住民票の住所と本籍地が同一のため、手続きはこれでも楽だが、別の自治体とかだと、戸籍謄本を入手して、それを居住地の自治体に持っていってとちょっと面倒かもしれん。
あとは書類をつくってもらうだけ
それ以降は特に面倒なことはなく、ただ待つだけ。通常のマイナンバーカードの申請書と同じような書類をつくってくれるので、それに写真を添付して郵送すりゃいい。
氏名のところを見ると、姓と名の間に括弧つきで旧姓が入っていて、なんかミドルネームみたいになっていて、ちょっとかっこいい。「キャンドル 【広末】 涼子」みたいな感じだ。例えが悪い。「内田 【本木】 雅弘」みたいなものだ。よし、それでいい。
レッツ郵送
証明写真を貼っ付け本日郵送。とりあえず制度が始まった初日に処理。しばらくするとカードができたよ、という連絡が届くはず。届けば写真付きの旧姓付き証明書ができるので、何かあった場合に便利だ。
とはいえ、理想はこの手間自体をなくすこと。この対応はあくまで手間の軽減であって、根本的な手間がなくなるわけではない。夫婦のどちらか一方に、こういった手間を追わせるという婚姻に伴う不都合、ともすれば差別的な制度が問題というところに変わりがない。夫婦のどちらか一方って言っても、名前変えざるを得ないのは大抵女性だし、今回手続きに行ったって、旧姓併記するのは男性の私なのよってなったら意外と思われる。こういう現実をなんとかしたいのだけれどね。
マイナンバーカードが手元に来たら、またご報告します。