伊集院光が9月27日の深夜の馬鹿力で、ホテルについてしゃべっていたので、ちょっとそれについて。
-(参考)「伊集院光 深夜の馬鹿力/2021年09月27日/第1354回/休み方がよく分からない」放送内容 | 感想とレビュー.com
まず大前提。ホテルとして、お部屋を通常の利用方法で使っているのであれば、備品などに故障や破損が生じたとしても、お客様に弁償を求められない*1。
一方で目的外の利用方法、あるいは意図的な行為による故障や破損は弁償を求めることになるし、そのお部屋を販売できない期間による逸失利益も含めて請求の対象になりうる*2。
このあたりの話はレンタカーに少し似ているが、大きな違いは、レンタカーの場合はもらい事故やたまたま遭遇した事故であっても、事故の結果の弁済を借り主の運転手に求めうるが、ホテルの場合はそこまで借り主に求めない*3。明らかに事故を起こした責任がある、あるいは意図的に事故を起こした場合に補償を求めるのが一般的で、もらい事故やたまたまの事故の場合、借り主負担は求めないのが一般的。これを前提に具体的な話。
伊集院光のやらかしはふたつ。ひとつめはトイレで流れないくらいのうんこをした。ふたつめはベッドにうんこをちびった。
この両者のベストな対応としては、これも先程のレンタカーの話の如く、事故ったならば、すぐ連絡するのが正解。うんこ絡みの話は誰しも恥ずかしいものであるが、放っておいてもうんこは流れていかないし、何もしなければ永遠にトイレインザうんこだし、ベッドオンザうんこだ。事故が起きてしまったならば、とりあえずは110番でありレンタカー屋さんに電話であり、それに相当するのがフロントへの連絡である。
この場合の弁償問題だけども、前者はほぼ100%発生しないと考えていい。というのも、トイレでうんこするのは通常の利用方法だ。たまたま流れないほどにそのうんこが巨大だっただけで、うんこしたこと自体は責められん。往年のプロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントには、宿泊先のお部屋が気に入らなかった場合、バスタブでうんこしたという逸話があるが、この場合はうんこ・ザ・ジャイアントが責められるのではなく、バスタブでうんこをしたことが責められるわけである。つか、すなよ。
ただ、うんこでつまったトイレに、追いうんこしてさらにつまらせた場合は別だ。追いうんこの責任が問われる。つまってどうにもならない状況がわかっていながら、さらに状況を悪化させたのは意図的であり悪意とみなされる。うんこしてつまらせたまでは悪くない。つまらせた状況を申告することなく、追いうんこすることが悪であり、その結果後日しばらくそのお部屋を販売できなくなれば、その逸失利益を補償しろという話になる。追いうんこ死すべし。
後者は微妙だ。ちびり具合による。例えばシーツくらいなら許される。シーツは犠牲になったのだ。しかしこれが掛け布団とか、ベッドパッドとかになると、そういう備品の買い替え=弁償というケースはありうる。ドライタイプかウェットタイプかで結果が分かれるという話でもある。
しかし早めに言ってくれればこうした備品の交換で済むし、話は小規模にとどまる。ちびった事実は消えないものの、早々処理すればにおいの問題などが発生しないし、それを抑え込む時間的余裕も生まれる。運悪くウェットタイプだったとしても、シーツからペッドパッドに、ベッドパッドからベッド自体にという貫通攻撃の魔の手からは防げるかもしれない。いずれにせよ被害は最小限に抑えられる。
一番最悪なのがチェックアウトまで無申告で、お部屋の清掃に入ったハウススタッフが現場を確認した場合であり、このケースの心証は破滅的だ。末代までうらまれるし、意地でも弁償させてやろうとホテル側が一致団結弁護団大集合になる可能性がある。とりあえずは証拠写真を撮るはずであるし、その偉業はデータとともに後世に伝えられよう。
いずれにせよ正直者が一番得であるし、それがホテルにとってもっともありがたく、その恩恵をやらかした側も受ける。恥ずかしいという気持ちを越え、真っ正直に申告したほうがいい。車での事故においてひき逃げは重罪であるように、ホテルのお部屋においても、うん逃げは重罪である。一方でひき逃げではなく、救急介護の責任を果たしたとしても、重大事故を起こした運転の過失からは免れえないが、ちびり自己申告の場合はその迅速な報告ということにより、誠意ある対応を行ったとみなされ、その誠意に応じて免責される可能性が高い。
やばいと思ったときこそ、早めに、正直に申告してほしいもの。早めであれば移動先のお部屋を用意し、そちらに移ってもらってゆっくり事故対応するなど、ホテルにとっても、お客様にとっても選択肢は増えるしありがたい。
繰り返す。正直者は得をする。つか言って。お願いだから。