だから数字はちゃんと使えとあれほど。
東京都の小池知事が移転を当面延期すると表明した、東京・中央区の築地市場に本社を置く業者の倒産や廃業は、集計が可能な平成15年以降で100社を超えるとする民間の調査結果がまとまり
築地市場に本社置く業者 倒産・廃業は100社超 | NHKニュース
こんなツッコミどころ満載の記事を内外に報じる意味はあるんでしょうかね。
つい最近のこの記事と、問題点はほぼ一緒なわけですが、本当にダメダメです。
多いのか少ないのかわからない問題
そもそもですよ。
東京の築地市場の中に本社を置く業者の倒産や廃業は、集計が可能な平成15年からこれまでのおよそ13年間で、111社
築地市場に本社置く業者 倒産・廃業は100社超 | NHKニュース
これが多いのか少ないのかがわからない。
そりゃ十三年間の合計値であればゼロになるわけないし、そこそこの数字が積み上がるでしょうよ。だからこそ、この数字が多いのか少ないのかを示す比較対象が必要で、例えば平成一五年以前の一三年間と比較してどうなのか。ここ数年で急増しているかどうかとか。例えば一一一件中ほとんどが最近三年間のものであるとか。そういう情報が必要。
しかしそれがない。それがないからよくわからない。
築地市場の中にはどんな業者がいると思っているのか問題
それにだ。「東京の築地市場の中に本社を置く業者の倒産や廃業」なわけですよね。
業種別にみますと、生鮮魚介卸売業が84社と全体の70%以上を占め、次いで野菜卸売業が7社となっています。
築地市場に本社置く業者 倒産・廃業は100社超 | NHKニュース
当たり前やろが!
むしろ生鮮魚介卸売業・野菜卸売業以外がそんなにあるのが驚きだわ!!
つか、どんなところが築地市場の中に本社を置くのか、んなもんわかりきったことだろが!!!
ちなみにこういう統計がありまして。経済センサスという。これの最新データである「平成二六年経済センサス基礎調査」では、町名ごとのデータもあるんです。「町丁・大字別集計」ってのが。
これで築地市場のある東京都中央区築地五丁目のデータを見てみると、全事業所一〇九二件のうち、飲食料品卸売業は七八九件。七二%。
業種別にみますと、生鮮魚介卸売業が84社と全体の70%以上を占め、次いで野菜卸売業が7社となっています。
築地市場に本社置く業者 倒産・廃業は100社超 | NHKニュース
めっちゃ順当な結果です。
ちなみに経済統計上の分類で、大分類が卸売業、中分類が飲食料品卸売業となり、生鮮魚介卸売業と野菜卸売業は小分類となり、飲食料品卸売業に含まれます。
詳しくはこちら参照。
そもそも前段は必要なのか問題
記事の出だしからしてアレですよね。
東京都の小池知事が移転を当面延期すると表明した
築地市場に本社置く業者 倒産・廃業は100社超 | NHKニュース
それ、いる?
なんか無理やりこじつけようとしてますよね。関連付けようとしてますよね。
築地市場と移転するかどうかという話と、築地市場内に本社を置く企業の倒産・廃業が一一一件あったという話は、まったく別の話だし、後者なんて「そういう数字がありましたー」という事実の紹介でしかありません。
というわけで、こういうのは煽りの類で、反応してはいけません。はい、反応しました。俺ってダメなやつ。では。