タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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2017年最新版ボージョレ格付け

 全国四千万人のワインファンの皆さんこんばんは。今年も恒例のアレの季節がやって参りました。

 ボージョレ・ヌーボーですわよ、奥様。ボージョレ表記とボジョレー表記で戦争ですわよ、奥様。

輸入元のサントリーワインインターナショナル(東京)によると、現地は今夏、気温が高く乾燥し、原料となるブドウの生育に適した気候だったという。担当者は「甘みが凝縮され、まろやかな味わいに仕上がった」と話している。

関空にボージョレ・ヌーボーが到着 今年の解禁はいつ?

 まろやかですか、そうですか。

  • 1995年「ここ数年で一番出来が良い」
  • 1996年「10年に一度の逸品」
  • 1997年「1976年以来の品質」
  • 1998年「10年に一度の当たり年」
  • 1999年「品質は昨年より良い」
  • 2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
  • 2001年「ここ10年で最高」
  • 2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
  • 2003年「100年に一度の出来」「近年にない良い出来」
  • 2004年「香りが強く中々の出来栄え」
  • 2005年「ここ数年で最高」
  • 2006年「昨年同様良い出来栄え」
  • 2007年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
  • 2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
  • 2009年「50年に一度の出来栄え」
  • 2010年「新酒の典型のようなみずみずしさ」
  • 2011年「50年に一度の当たり年」「05年や09年産に匹敵する仕上がり」
  • 2012年「糖度と酸度のバランスが良く、フルーティーな味わい」
  • 2013年「例年よりもフレッシュな味わい」
  • 2014年「フレッシュで華やかな香り」「果実味豊かな味わい」
  • 2015年「今世紀でもっとも良い出来」「豊かで、しっかりとして完璧なバランス」
  • 2016年「採れたての果実を口の中で頬張ったかのような、みずみずしい仕上がり」
  • 2017年「甘みが凝縮され、まろやかな味わい」←New!!

 いやあ、こうやって眺めると壮観ですなあ。

 今年の評価を意訳すると「まあまあだが、パンチが足りない」というところ。悪くはないが、ベタ褒めするほどでは……といったあたり。「まろやか」って便利な言葉よね。

 この評価を踏まえて「ボージョレヌーヴォー論理パズル」こと最新版の「字面だけ格付け」は次のようになりました。

2017年版ボージョレ字面だけ格付け

  • 1.2015年「今世紀でもっとも良い出来」「豊かで、しっかりとして完璧なバランス」
  • 2.2005年「ここ数年で最高」
  • 3.2006年「昨年同様良い出来栄え」
  • 4.2003年「100年に一度の出来」「近年にない良い出来」
  • 5.2011年「50年に一度の当たり年」「05年や09年産に匹敵する仕上がり」
  • 6.2009年「50年に一度の出来栄え」
  • 7.2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
  • 8.2001年「ここ10年で最高」
  • 9.1999年「品質は昨年より良い」
  • 10.1998年「10年に一度の当たり年」
  • 11.1996年「10年に一度の逸品」
  • 12.1997年「1976年以来の品質」
  • 13.1995年「ここ数年で一番出来が良い」
  • 14.2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
  • 15.2007年「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
  • 16.2012年「糖度と酸度のバランスが良く、フルーティーな味わい」
  • 17.2008年「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
  • 18.2017年「甘みが凝縮され、まろやかな味わい」←New!!
  • 19.2014年「フレッシュで華やかな香り」「果実味豊かな味わい」
  • 20.2004年「香りが強く中々の出来栄え」
  • 21.2013年「例年よりもフレッシュな味わい」
  • 22.2010年「新酒の典型のようなみずみずしさ」
  • 23.2016年「採れたての果実を口の中で頬張ったかのような、みずみずしい仕上がり」

 18位です。やりましたね。

 昨年も書きましたが、2000年と2007年の間に越えられない壁があります。すなわち手放しの褒め言葉か、対象を限定した褒め言葉か。

 その観点から言えば、今回は「甘み」「まろやか」という対象を限定した褒め言葉なので、壁を越えられない。2007年以下ということになります。とりあえず15位以下確定。

 あとはどこに入れるかというところですが、「甘みが凝縮され」と濃さの言及されているのがポイント。基本的に「フレッシュ」「みずみずしい」は「薄い」ということなので、フレッシュ勢よりは上です。2014年よりは上位。

 となると相手は2007年・2012年・2008年となりますが、鍵となるのは今年が「まろやかな味わい」という評価にとどまり、酸味への言及がないこと。甘みはよく出ており、ワインらしい熟成もできているが、酸味が弱いのでガツンとこないと解釈できます。

 となるとこの比較では最下位とするしかなく、2008年よりも下ということで18位となりました。

 2015年は例外的に良かったものの、最近はどうも低調な年が続いております。そろそろ「千年に一度の当たり年」くらいのインフレ評価を見たいものであります。

 それでは来年もまたこの記事でお会いしましょう。良いワインで、良い人生を(某かりすまなんとかの人のパクリ)。