タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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妻の姓にした夫が思う夫婦別姓

 どうも。妻の姓を選んだ少数派です。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151216/k10010342841000.html

去年は1年間に結婚したおよそ64万4000組の夫婦のうち、夫の姓を選んだのは全体の96%で、妻の姓を選んだ夫婦は4%でした。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151216/k10010342841000.html

 少ないのね。

 ま、そんな私個人の話はさておき本件の話、夫婦別姓。細かい法律問題はともかく、「夫の姓を選んだのは全体の96%」という事実がすべての話の前提だよね。ほとんど妻の姓にしない。あるいはできない。

 それは日本が戸籍を基本とした家制度であり、家は男系で受け継ぐものであり、名字もまたその一貫として夫のものを名乗るのが一般的であると。であるから夫の姓を名乗らない=妻の姓を名乗るというのは、従来の家制度の範疇から外れる話であり、男系で受け継ぐ家とは異なる思考であると。そういう話だと思うわけです。

 でもってこうした話の前提ですが、これを止めるか、継続するか、あるいはそもそも話の前提にしないか。法律問題以前にこれが問われていると思うわけですよ。

 例えば戸籍制度を基本とするか否か。戸籍で国民を管理する時代は終わって、個人ひとりひとりで見ていくという考え方もあるわけです。おりしもマイナンバーでそれが可能になったわけだし。ちなみにこういう視点でのマイナンバーの議論って見たことない。戸籍から個人の時代だ。そのためのマイナンバーなんだって考え方も実はアリ。

 あるいは男系で家を受け継ぐという考え方が、どこまで共有されているか。これにしても大きなターニングポイントがそのうち来るでしょう。天皇の跡継ぎ問題における女性天皇などの話によって。

 ですので、法律的な話として現状が合憲・違憲であるという話と、今後どうしていくかという話は別個。現在までの話と、未来に向けての話は別にしなくてはならんし、過去に生きる人間を相手にしてもしょうがなくて、結婚という制度の恩恵と問題点の影響を受けるこれからの人間が考えなくてはならん問題なのだろうと思うわけです。

 ちなみに個人的な意見としては、「どうして選択的夫婦別姓でいかんの?」と思っております。「選択的」にすれば同姓派も別姓派も望む結果を得られる。なんでどちらか一方に制度をかためて、一方に不利益を負わすのか理解に苦しみます。「夫婦同姓」も「夫婦別姓」もダメ。「どっちでもいいよ」がいいと思うわけです。共存できる方法があるのに、共存しない理由がわからない。

 で、こうしたことを言うと「家制度が崩壊する」とか「日本の伝統が」とか言われちゃうんですけど、名字くらいで崩壊するような家制度ならアレすぎて話になりませんし、核家族化が進んだ現状では、家は夫婦とその子どもの関係性が中心なわけで、それで問題があるのなら制度というよりその家庭の問題ですし、「夫婦別姓で家制度が壊れた国ってどこですか?」としか言いようがない。どこよ、どこの国よ。で、同姓にしたら大丈夫なのかよ。

 あとはこの事実がすべてですよね。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151216/k10010343011000.html

裁判官15人のうち女性裁判官3人全員と、男性の裁判官2人の合わせて5人が夫婦別姓を認めないのは憲法に違反するという意見を述べました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151216/k10010343011000.html

 96%の不利益を被っている女性3人が全員違憲という判断。男性裁判官のうちひとりでも妻の姓にした裁判官がいたんでしょうかね。妻の姓にした裁判官がいないのに、君たち男性陣はよく判断できるよなあと思っちゃうわけです。

 名字変えたことないくせに、よく言うよ。

 実際に妻の名字にした人間からは以上です。

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