タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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湖国料理と銘酒を心ゆくまで楽しんだ話

 ちょっと滋賀県まで行ってきまして、ええ。で、私が行くということは、当然何かを食べに行っているというわけで。

納屋孫(五個荘・和食)

 こちらにお席をとっていただいて、湖国料理を堪能したわけです。

 今回はもう完全にお任せで、すっぽんコースをアレンジしていただいたようでした。「ようでした」と書いているのはお席の予約とか、メニューの内容とか、予約していただいた方に全部頼りっきりでありまして。いやあ、ありがたい。

 さてまず登場したのがとうもろこし豆腐。ごま豆腐とかはよく聞くんですけど、それのとうもろこし版です。ぷるんとした感触の中に、とうもろこしの甘さが効いておりましてね。そこにうにの苦味が全体を引き締めておりました。うにの甘みとかコクとかを効かせるのは割とよくあるんだけど、苦味を効かせるというのはなかなか。

 そして前菜が五種も一気に。左から鱧の梅肉和え。鱧寿司。うずら玉子の穴子巻。氷魚の佃煮。鮒寿司の天ぷら。

 やっぱり鱧が出ると西の和食だなーという気がしますね。東だとあまり見ないので。

 で、うずらの玉子を穴子で巻いたのがとてもおいしくて。うずら玉子と穴子が同じ柔らかさで、口の中でとろけるようにほどけていきまして。どっちかが固いとこうはいかん。

 氷魚というのは鮎の稚魚ね。年々採れなくなっているんだって。

 そして鮒寿司の天ぷら。「天ぷら?」って思ったんだけど、これがまあ天ぷらにしてもうまい。いろんな味と香りのタペストリーというか。衣に包んだ分、衣を噛み破ったときに突き抜ける香りがたまらんわけで。ああ、お酒だ。お酒が進む。

 というわけで鮒寿司と松の司のあらばしりが登場。このお酒がまあすいすい入ってしまう罪なやつで。癖がない。お米とお水がいいんだろうなあという素直な味で。どこにも引っかかりがない。それでいて鮒寿司みたいな癖の塊と合わせても相手を引き立たせてしまうという。おお、これは罪なお酒。

 ちなみにこの日、席を囲んでいたのは私を含め四人なんですが、結局一升開けてしまいました。うまいんだもの。仕方ないね。

 鮒寿司は鮒寿司自体じゃなくて、このご飯がうまいんだよな。これがお酒のアテになる。こちらのお店ではただ出すのではなく、刻んだネギを入れたり、ちょっとアレンジしているそうで。そして鮒寿司自体も代々使っている木桶で二年以上漬けているそうで。変な臭みとかないんだよなあ。

 そしてお造り。真ん中下が鯉。左に湯通しした鱧、右に湯通ししていないその名も水晶鱧。上がビワマス。このビワマスがおいしくて。脂が上品でねえ。でも滅多に入らないんですって。たまたまこの日は入ったんだけど、前日はなかったそうで、運次第。いやあラッキーでした。ついてる。


 そして鱧と松茸の土瓶蒸しですよ。私は目一杯庶民なので、土瓶蒸しとか出ると妙に心がウキウキしてしまいます。お出汁が、お出汁が、うまいんじゃー。

 鮒寿司に続いてこちらの名物・鯉の筒煮。飴色に炊かれた鯉がうまいんです。真ん中の肝がまたうまいんです。

 聞けばこの筒煮、鯉一匹から切り身ひとつ分しかとらないとのこと。真ん中のいいところだけ筒煮にするそうな。いやあ、贅沢ですね。

 A5の近江牛が来ましたよ。ほあああ、うまい。うまいよう。

 そしてすっぽんの唐揚げ。この唐揚げがうまいのよ、奥さん。すっぽんのうまさが凝縮されているというか。これは天然ものらしんだけど、天然だからかなんなのか、雑味とかも一切なくてねえ。

 そして日本酒をスイッチ。権座の登場。琵琶湖の浮島で作っているお酒。生産量も少なく、幻の銘酒なんだとか。「幻」をこうやって現実に飲める。なんてありがたいんだ。


 そしてメインのすっぽん鍋に雑炊。

 メロンと、胡麻とくるみのプリンで締め。ぬわあああああ、うまかったああああ。湖の恵み祭り。近江の米と水の宴。

 場所は国道八号線からちょっと入ったところ。名神高速道路の八日市ICからもそうは離れていない。ご旅行の際に如何でしょうか。

 蔵の中に席があったりして、趣があってよいですぞ。