タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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個人情報を共有してもドタキャンは防げない

 飲食店では予約客のドタキャンが実に頭の痛いところ。そこでそうしたデータベースができたという話がちょっと話題になっておりました。

 でね、結論から言うとこうしたデータベースって難しいと思うんだよね。

データベース化して問題ないの?

 そもそも顧客情報をよそに流して問題ないの? という個人情報の扱い問題があると思うわけです。予約時に「ご連絡なくキャンセルとなった場合、うかがった電話番号などの個人情報はキャンセルなさるお客様の情報として共有させていただきます」的な同意があるかどうかとか、なんとかする方法はいろいろあるとは思いますが、そういった合意を予約時にとれるかどうか微妙ですし、とれたとしても社外にまでお漏らしするのはどうなんだろうと。せいぜい社内・店舗間共有までじゃないのかねえと。

そもそも断れるの?

 仮にデータベース化に問題がないとしても、それを運用に活かすということは、データベースにある個人情報に引っかかった方からのご予約をお断りできますか? という話で。ここがうまくいかなきゃ実効性がないわけで。なんのためのデータベースなのよと。情報集めるだけ集めてなんなのよと。

お金とれるの?

 でもってキャンセルの悩みというのはお金のとりっぱぐれなわけです。それを回避するためにキャンセルしそうな人の予約はとらないということなんでしょうけど、それって仕込みのマイナスがゼロになるというだけで、プラスにはならないのですよ。無駄な仕入れが減るというだけ。お金がとれなくては本質的な意味はない。プラスにならない。

 なわけで、実は宿泊業、ホテル・旅館の話と一緒なわけです。

 解決策も一緒。結論としては「予約時の事前決済」あたり。ここに集約されます。

 例えばコース料金の60%を事前決済、残り40%を当日決済にするとか。あるいは1名あたりいくらと固定金額を決めておき、残金は当日精算とするとか。そうすれば少なくても食材のロスは回避できるし、それに少し色を付けて回収できる。

 データベースというやりかたより、事前決済のシステムを席予約にひもつけてしまうほうが、より冴えたやりかたではないかと思うわけです。日本語には「内金」という言葉があるわけで、そんなに無茶な話ではないわけですし。キャンセル料率を事前に明示しておくこと。そしてキャンセルの場合は既にいただいているお金を実際にいただくこと。これだけでありまして。

 飲食業と宿泊業の最前線からは以上です。