タケルンバ卿ブログ

世界の片隅でだらだら生きる貴族の徒然帳

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見た目クリーニング屋の立ち飲み割烹

 南阿佐ヶ谷駅から近くのクリーニング屋さんが閉店し、何ができるかなあと思っていたら看板そのまま。見た目そのまま。

 これお店の写真。

 たばこ。クリーニング。おかし。ご丁寧にタバコを売ってたときのカウンターまでそのまま。

 しかし7月にオープンしたこのお店。実は立ち飲み屋さんであり、「立ち飲み」というより、割烹なんじゃね? というレベルのお料理を出してくれるお店なのです。

田っくん商店(南阿佐ヶ谷・居酒屋)

 本店は代田橋。どうやらこちらは二号店のよう。

 オープン告知の画像もあった。看板とか見ればわかるが、ここまで居抜きで入るかー、というレベルにそのまま。でも、料理は本物。

 まずは茄子の煮びたし。やわやわの茄子がお出汁を吸ってうまい。

 ち鯛の昆布締め。「振り塩をしてありますんで、そのままでもどうぞ」というので醤油なしで食べてみたが、これがまあ絶品の締め加減・塩加減で。おかげで日本酒がすすむすすむ。これはいかんつまみだ。

 ぶりかま煮付け。この日はぶりをお刺身で出していたので、そのかまと思われるのだけど、レア気味に仕上げていていい感じ。

 刺身があるときは、かまの煮付けとか焼き物があるみたいに、メニュー構成の辻褄が合うお店は信用する主義です、私。大体うまい。

 ささみの天ぷら。この上にのっているものが一工夫。オリーブの醤油漬けを刻んだものらしい。これがまたささみに合うのよ、奥さん。あっさりとしたささみに合うのよ、奥さん。

 はたはたの一夜干し。干すとうまみが凝縮されるのよね。

 だし巻き玉子。お出汁多めのふわふわタイプ。これ、焼くのムズいんだよね。かため巻き・だし少なめとかだと、わりと火加減雑でもいけるし、最後の一巻き目さえ失敗しなければ、見た目も問題ない。でも、こういう淡いふんわりタイプって、火加減強すぎれば焦げるし、どこかで焦げれば内側に色が残るし、雑味も残る。かといって弱火でいいというわけでもない。ちゃんとしたお仕事です。素晴らしい。

 そして締めには松茸と穴子のお澄ましなんかもあったり。お酒の締めには贅沢すぎる一品。

 でね、量もけちけちしてないで、大きめのお椀にたっぷりなの。それでいてお値段も安いの。ここであげた全メニュー、1,000円以上のものがないんですよ。最後のお澄ましなんかも1,000円以上してもおかしくないのに。ちゃんとした和食のお仕事してるのに、お値段だけは立ち飲み価格。こりゃいいや。

 立ち飲みといっても、実は椅子も6席ほどあり、座って飲めるし食べられる。日本酒もいろいろ揃っており、なかなかナイスです。

 見た目はクリーニング屋だけど、その実は立ち飲み割烹。田っくん商店おすすめです。